地理本ジャーナル

地理、鉄道、道路、地形、山、たまに政治経済。の周辺をとにかく紹介していくブログです。

【鉄道】都合のイイ路線、都営三田線(6号線)

f:id:jonjis:20170206000748j:image

写真は、すぐにでも延伸工事が再開できそうな都営三田線の終着駅、西高島平駅の車止です。

都営三田線は、今でこそ東急目黒線に乗り入れていてイケてますが、かつては「尽くしても愛されない」都合のイイ路線でした。

和光市ー西高島平間に線路を引いて乗り入れたい」そう東武から申し出があったため、都は三田線に採用予定だった幅広のレール(標準軌)を、東上線の狭いレール(狭軌)に変更します。ところが、一方的な都合で婚約破棄。年下の従兄弟、有楽町線東上線を奪われてしまいます。

泉岳寺から乗り入れるはずだった、東急池上線との結婚も直前で破談。

皇居の東側でも、千代田線との壮絶な駅用地確保競争に敗れます。千代田線は3駅を設置、三田線は2駅しか設置できないばかりか、大手町駅は他の路線から一人遠い場所に追いやられるのです。

そんな悲劇の三田線もようやく生涯の伴侶、東急目黒線と巡りあいます。

結婚後は評価がうなぎのぼり。2000年の乗り入れを機に、都営地下鉄のお荷物が2004年に黒字転換。2016年度は51億円の経常利益を計上するに至り、旅客数も長男の都営浅草線を抜いて都営の3番を伺う勢いです。

そんな、経緯を知るにつけ、恋人と繋がろうとしたこの遺構すら、堂々と自分をほこっているように見えてくるのです。