地理本ジャーナル

地理、鉄道、道路、地形、山、たまに政治経済。の周辺をとにかく紹介していくブログです。

新書

【書評】社会にもっと猥雑を。風俗産業の政治経済史。硬派な読み応え。『「夜遊び」の経済学 世界が注目する「ナイトタイムエコノミー」』(木曽崇)

「夜遊び」の経済学 世界が注目する「ナイトタイムエコノミー」 (光文社新書) 作者: 木曽崇 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2017/06/15 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る 騙される はやりの煽り系題名からして、どうも軽めのエッセイ、根…

【書評】相続・贈与関係の不動産・税金についてはこれで十分『「親と実家」を考える本 by suumo 2017年版 (リクルートムック) 』

「親と実家」を考える本 by suumo 2017年版 (リクルートムック) 作者: suumo 出版社/メーカー: リクルートホールディングス 発売日: 2016/12/10 メディア: ムック この商品を含むブログを見る 巷では、「大事な人が亡くなったら、こんな手続きが必要!」とい…

【書評の書評】頑張れナカジマ!とおじさんが応援したくなる感情移入の本【フィリピン嬢の社会学】の書評 『フィリピンパブ嬢はどう暮らしているのか 学問を踏み越えて、愛する人とともに』(首藤 淳哉・東洋経済)

以前に書いたこちらのエントリーのPVが少し上がったので、なぜだろうと考えていました。 jonjis.hateblo.jp どうやら、この東洋経済の書評記事が出たからかも知れません。 toyokeizai.net こちらの記事は、本文からの引用もかなりあり、本書の概要を知るには…

【書評】新書というより教義書のような悟りの本 『仕事なんか生きがいにするな 生きる意味を再び考える』(泉谷閑示)

仕事なんか生きがいにするな 生きる意味を再び考える (幻冬舎新書) 作者: 泉谷閑示 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2017/01/28 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 「本当の自分」というものは、どこか外に待ち受けているものではなく、自分の内部…

【書評】皮肉とファクトと怒りの融合。『損する結婚 儲かる離婚』(藤沢数希)

損する結婚 儲かる離婚(新潮新書) 作者: 藤沢数希 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/02/24 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 半分ノウハウ、半分評論 21時か22時に始まる新しい連続ドラマのようなタイトルです。昨今話題の離婚、不倫ニ…

【書評】新書で味わえる隣の文化人類学『フィリピンパブ嬢の社会学』(中島弘象)

フィリピンパブ嬢の社会学 (新潮新書) 作者: 中島弘象 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/02/16 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 題名に偽りあり!社会学じゃない、渾身のルポである 社会学そのものも定義は曖昧ですが、間違っても「社会科学…

【書評】サクっと3時間、もう一周読んで4.5時間で深まる『入門 東南アジア近現代史』

入門 東南アジア近現代史 (講談社現代新書) 作者: 岩崎育夫 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/01/18 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る ざっくり500年を300ページに閉じ込めた 「多様性の中の統一」が本書のキーワード。言語も違う、宗…

【書評】愛すべき「日本語」マニアが熱めに語る対談録。『書く力 私たちはこうして文章を磨いた』(池上彰・竹内政明)

書く力 私たちはこうして文章を磨いた (朝日新書) 作者: 池上彰,竹内政明 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2017/01/13 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 渋谷が築地で大手町に恋をした? 竹内さんの表現は読売臭がする。オシャレだけどほん…

【書評】笑える知財本。『楽しく学べる「知財」入門』(稲穂健市)

楽しく学べる「知財」入門 (講談社現代新書) 作者: 稲穂健市 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/02/24 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る ところどころニヤニヤしてしまう、知的財産に関する新書です。面白い。 構成から読者目線 大概の知…

【書評】日本列島の成り立ちがわかる心地よい軽さと骨太感をあわせ持つブルーバックスらしい一冊『日本列島100万年史大地に刻まれた壮大な物語』(山崎晴雄,久保純子)

日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語 (ブルーバックス) 作者: 山崎晴雄,久保純子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/01/18 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 美しい装丁、それだけで所有欲は満たされるが、中身はやっぱり簡単…

【書評】会計士の不動産指南 未来の不動産取引を予言する『不動産屋にだまされるな』

不動産屋にだまされるな - 「家あまり」時代の売買戦略 (中公新書ラクレ) 作者: 山田寛英 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2017/01/06 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 出だしから中盤はそんなに目新しくない 手数料が高い、不動産屋(宅…

【書評】新書なのに重い、濃い、地下鉄よりも大深度地下よりも深い愛しか感じない『地図と愉しむ東京歴史散歩 地下の秘密篇』

実際カラー版だという理由もあるでしょう。しかし、なんというか、よくもまーここまで綺麗に詳細にまとめられたなというのが率直な感想です。 竹内さん、執筆にどんだけ時間かけたんでしょう。940円は安い。 カラーということもあり、全体的に美しくリアリテ…

【書評】”佐藤優”という一種の”ビタミンサプリ”

お節とお屠蘇と佐藤優 とてつもないペースで作品を発表し、なぜか年末年始になると、異様なほどに読みたくなるのが、佐藤優さんの作品です。 大国の掟―「歴史×地理」で解きほぐす (NHK出版新書 502) 作者: 佐藤優 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2016/11/…