【書評】全国未成線本の決定版!『全国未成線ガイド 知られざる鉄道路線』(草町義和 監修)
全国を対象とした未成線ガイドの決定版といえる本書です。
成田新幹線を皮切りにまずカラーで目玉路線を紹介、2番目に2色刷り、そして後半の大部分を一色刷りという構成になっています。
冒頭のカラーに出てくる青森の「大間線」、和歌山の「坂本線」が気になります。訪れたくなります。
1路線およそ3ページ、紙質がペーパーバックのような荒目のもの。電車の中で読みたい感じを演出してくれています。
地図に無駄がなく見やすいし、実際に歩いてみる紀行文も臨場感があって楽しい。後半には未成線を歴史や行政手続、法律の観点から解説するコーナーもあります。骨太な印象もありながら、拾い読みもしやすい構成になっています。
国道(酷道)マニア向けの書籍に近い色合いがあります。廃墟感はもちろん、草むした線路予定地の荒涼殺伐とした感じがたまりません。そっち方面のマニアにもうけるかもしれません。
短い休みに出かける小旅行の旅先を決めるのにも、もってこいの内容です。少し出版から経ちましたが、まだまだ書店でも見かけます。ぜひ手にとって見てください。