地理本ジャーナル

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【歴史】気鋭の歴史家と元都知事作家の対談を生観戦してきた『磯田道史と語る江戸のイノベーション~「直虎」以降、改革者の系譜~ 猪瀬直樹×磯田道史』

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お互い被せ合う熱い対談

猪瀬さんのtwitterに案内が出ていたので、応募したところ当選。渋谷の日本経済大学に行ってきました。

とても濃い2時間。磯田さんがホストの猪瀬さんにかぶせるシーンが続出。あまりに喋り続ける磯田さんに被せ返す瞬間もあり、こちらがドキドキしてしまいました。なかなか熱い対談でした。

江戸時代は思っているような単純な時代じゃない

大河ドラマを題名に入れていますが、そこは出だしだけ。基本的なテーマは江戸時代が、戦後に教えられてきた紋切り型のイメージとは違うよ、もっと自由だったし、中世に比べるとずっと公(行政)もしっかりしていたし、何より平和だったので文化も発達していた。社会システムも整備され、ビジネスでもそれ以外の分野でもイノベーションと呼べるような革新が起きていたことを、エピソードを交えながら語る120分でした。

磯田さんの淀みなく溢れ出る知識

磯田さんの博識ぶりにはびっくりさせられました。古文書をベースにした近世史の研究者という知識しかなかったけれど、本業はもちろん、経営・会計や国際情勢、人口学など周辺の学問にも知識も相当にあるのだろうな、と思わせる話っぷり。

磯田さんの著作のうち、有名な「無私の日本人」「武士の家計簿」はまだ読んだことはないのですが、「天災から日本史を読みなおすー先人に学ぶ防災」を読んだことがあります。少し前なので記憶が曖昧なのですが、丹念に古文書を読み、読者に丁寧にリアリティを持って当時の状況を説明し、減災への取り組みを促す内容だったように思います。

日本人はこうすればまた復活できる!?

対談後半で気になった論点がありました。それは、歴史を振り返ると、日本人がすごい力を発揮するタイミングは「余裕があるうちに、今やっていることと並行して新しいことを始めているとき。うまくいくとその本流から傍流へ一気に流れていき成功する」というケースが多いそう。

自分自身の生き方にも参考になるところがあるなと感じます。小さな新しいことを少しずつ毎日続けていきたい。

ニコニコ動画で見られるようです。ぜひご覧ください。