地理本ジャーナル

地理、鉄道、道路、地形、山、たまに政治経済。の周辺をとにかく紹介していくブログです。

【訪問記】ツーマンバス?都内随一の狭隘バス路線、『荻51 荻窪駅発ーシャレール荻窪』に乗ってきた

あまたある都内のバス路線中、屈指の狭隘路線として名高い、関東バス荻51系統に乗ってきました。ルートはこんな感じです。

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路線図出典はこちら↓

東京都内乗合バス・ルートあんない'16~'17年版 (諸書籍)

東京都内乗合バス・ルートあんない'16~'17年版 (諸書籍)

 

路線の途中で、交通整理係のスタッフが乗り込む路線として有名です。

出発は荻窪駅。洒落たシャレールに名を変えた旧荻窪団地を目指します。

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ちょうど乗り継ぎがよく、バスはすぐに来てくれました。

さー出発。荻窪駅を発車したバスはやや狭い駅前の通りを抜け東京の大動脈である環八通りに入っていきます。まだまだ狭隘な匂いはしません。

環八を南下し、南東方向の道に入ります。この道に入った直後、ハイライトがやって来ます。荻窪二丁目のあたりの大きく展開する小さな路地で交通整理スタッフが突如現れます。噂のスタッフはこちら↓

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展開し安全を確認すると一仕事を終えたスタッフがバスに乗り込んで来ます。バスはひたすらシャレールを目指します。途中の松渓中から西田端橋あたりまでもかなりギリギリの一車線をキリキリ進んでいきます。かなりギリギリです。f:id:jonjis:20170328133108j:image

 善福寺川をわたり、バスはシャレール荻窪の旧団地ゾーンへと入っていきます。

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気候が穏やかになって来たのもありましたが、善福寺川がいつにも増して気持ちのよい川に見えました。

そうこうしているうちに、バスは目的地に到着。とても近代的で今までの公団住宅の概念を打ち破る美しい集合住宅でした。

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【地下鉄】横浜市営地下鉄ブルーラインの延伸の続報が掲載されていました。判断は2018年末までに。

www.townnews.co.jp

以前このブログでご紹介したブルーラインの「新百合ヶ丘延伸計画」の続報が記事になっていました。林横浜市長が市会で判断時期を明らかにしたようです。

jonjis.hateblo.jp

過去に何度も俎上に上がりがなら、実現しなかったことを踏まえ、2年に限定してスピード感を持って判断する方針であることを表明したようです。

平成29年横浜市都市整備局の予算概要には次のように記載がありました。高速鉄道3号線(ブルーライン)だけではなく、総合的な調査の予算額のようですが、2,000万円の調査費がつきました。これからの進展が期待できますね。

(2) 鉄道計画検討調査

高速鉄道3号線の延伸、横浜環状鉄道東海道貨 物支線の貨客併用化等について、市内外の拠点間を さらに快適・円滑に移動するために、より充実した 鉄道ネットワークの構築に向けた検討を進めます。 29年度は、高速鉄道3号線の延伸(あざみ野~新 百合ヶ丘)について、交通局が事業候補者として実 施する事業化判断に必要な調査と連携し、関連する 交通基盤の検討を行います。また、国の交通政策審 議会答申を踏まえ本市の鉄道構想路線について検討 を進めます。

また、鉄道駅における乗換利便性の向上などの課題解決や改善要望の実現に向けて、鉄道事業者と連携しながら検討を進めます。

2,000万円(28年 5,100万円)

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出典:平成29年横浜市都市整備局の予算概要

 交通政策審議会の答申は、次のようになっています。川崎市からの声が聞こえてこないところがちょっと気になりますが両市の調査を見守りましょう。

横浜市川崎市に跨がる路線であるため、事業化に向けて両市が協調して、費用負担のあり方や事業主体等を含めた事業計画について、合意形 成を進めるべき。f:id:jonjis:20170326221517p:plain

出典:東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(国土交通省 交通政策審議会平成28年4月20日)

 

 

【訪問記】驚愕の新宿駅1/100模型を堪能してきた『新宿区成立70周年記念協働企画展 新宿の高層ビル群ができるまで 』

新宿区成立70周年記念協働企画展 新宿の高層ビル群ができるまで (3月5日~開催)-新宿歴史博物館

こんばんは、じょんじです。今日は少し寒かったですね。

そんな寒さも吹き飛ぶ、「新宿駅の模型」、すごいのを見てきました。

server.okumura.com

この引用は違うイベントで展示されていた時のものです。今回の企画展は撮影禁止。残念ながらカメラには収められませんでした。

昭和女子大学環境デザイン学科田村研究室が中心になって作った模型。今回の展示では土曜日の13時から限定で、研究室の学生さんが詳しく説明してくれます。

田村研究室の田村准教授といえば、ブックファースト新宿店で強烈な販促を展開していた名著『新宿駅はなぜ1日364万人をさばけるのか』の著者です。先日のイベント「地図ナイト」にも登壇されていました。 

新宿駅はなぜ1日364万人をさばけるのか (SB新書)

新宿駅はなぜ1日364万人をさばけるのか (SB新書)

 

 引用の記事を見てもらうとよくわかると思いますが、よくできています。スケールは1/100、高さは高低差を意識させるために1/50 の縮尺になっています。東は新宿三丁目まで、西は都庁の手前まで。南にはバスタがしっかり表現されています。

ケルトン状態になっているので、いわゆる神の視点で新宿駅を眺めることができます。例えば東口のビックカメラあたりから、西口の「新宿の目」を眺めるという、現実には絶対見ることのできないアングルを体感することができます。

一見の価値があります。500円で見られます。是非是非、新宿歴史博物館に足をお運びください。

模型の他にも新宿の高層ビル群ができていく様子を収めた定点写真も見どころですよ。博物館周辺の荒木町スリバチ地形と桜の花も堪能できます。

【書評】エクセルでも充分できる統計ワザを漫画で『PRESIDENT NEXT(プレジデントネクスト)Vol.22「1日でマスター 統計入門」』

 

こんばんは、じょんじです。以前にコンビニで見かけて、つい最近、三省堂の池袋店で平積みにされていたので、試しに買ってみました。

マンガが多用されていてわかりやすいです。しっかりしたマンガです。教養・資格試験系の漫画はしばしば無理矢理マンガ化しただけで、ただ知識を羅列しているものがありますが、本書は違います。マンガ自体のクオリティも高いです。

統計をマンガで表現する試み結構ありました。

マンガでわかる統計学

マンガでわかる統計学

 

 が、今回ご紹介のこの本は本質までは行かず、いかに実践的に使うか、というところに主眼が置かれています。ムック本らしく深く考えずに、かつ実践的なスキルが学べるように工夫がされています。

結局のところビジネスで利用する統計の技法って、「ヒストグラム」「標準偏差・分散」「相関」いっても「回帰分析」くらいまで。このあたりの具体的なエクセルの操作法をしっかり説明しています。

1日でマスターできるかどうかは別にして、さっと読めてすぐに使えるのは事実。統計ってどう使うの仕事に、と思っている人の導入本としては最適です。ぜひ手元においてください。

【書評】車両、歴史、駅の説明、延伸などバランスよくつまっている『完全保存版 都営地下鉄のすべて』

 

完全保存版 都営地下鉄のすべて

完全保存版 都営地下鉄のすべて

 

 書店でばったり対面して、パラパラ読んで即買いました。

ほぼオールカラー。地味な都営地下鉄をバランスよく説明してくれています。

路線の歴史、車両、駅、これからの延伸計画などマニアックにならなすぎず、かといってよく知られていることだけではなく、非常にバランスの良い内容です。

じっくり読んで、レビューしたいと思います!

【書評】サンタツの最新号、役に立たない愛おしいさ。東京に生まれて良かった♪( ´θ`)ノ『散歩の達人2017年4月号東京ディープ案内』

 

散歩の達人 2017年 04 月号 [雑誌]

散歩の達人 2017年 04 月号 [雑誌]

 

こんばんは、じょんじです。

久々にサンタツ(散歩の達人)を買いました。通常号の「エリア別」、にはなかなか触手が伸びなかったのですが、今月号は「東京ディープ案内」。いかにも「泉麻人」臭がして手にとってみたら、案の定お出ましです。

特集はじめ、全体を通して期待通りの「ずれ方」。『ことりっぷ』なんかの正統派おしゃれガイドと雰囲気は似てますが、35度くらい内容がずれている感じです。

巻頭は、ディープな東京の街をランキング形式で紹介。このあたりは、比較的ベタ。その後はやりたいこと責めのテーマ選定でささります。

純喫茶、町中華、銭湯、センベロ、下町の建築などなど。生きていく上で何一つ役に立たないとまではいわないですが、潤いを与えてくれる東京トリビア(古い。。)の宝庫です。

個性的書店の対談がよかったなー。確かに精神安定剤なんですよね、書店て。能町さんの地図の気になるポイントもわかるなー、とか。拾い読み5分で柔らかい気持ちになります。

明るすぎない地下鉄で読むのに向いてます。まずは書店の店頭で。

 

【書評】知財戦略とは「見せない」ことを決めること? 『レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカ・コーラ」、どっちが賢い?―特許・知財の最新常識』(新井信昭)

 

レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカ・コーラ」、どっちが賢い?:特許・知財の最新常識

レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカ・コーラ」、どっちが賢い?:特許・知財の最新常識

 

こんばんは。じょんじです。今日ご紹介するのは、最近個人的に気になっている「知財」分野の一冊です。

 とにかくわかりやすい

高校卒業後、様々な職業や海外放浪を経て39歳で弁理士になった著者です。普通の人がわかりやすいレベルを肌感覚でわかっているのでしょう。特許を中心に知的財産の難しい点、退屈な点を平易な言葉で説明してくれています。知財(法)の何が退屈って、アイデアや技術のイメージとは対極にある地道すぎる手続きの話が多すぎるところです。そこをわかりやすく、手続きの意味するところを腹落ちするレベルまでへりくだって説明してくれています。取り上げている題材やエピソードも面白く、分量もそれなりでさらっと読めます。先日紹介した楽しく学べる「知財」入門と並ぶわかりやすさです。

jonjis.hateblo.jp

 特許を取ればいいってもんじゃない

 著者が本書で繰り返し述べていることは2点。

  • 知財戦略=特許取ることじゃないよ。技術やアイデアはどこを見せないか決めるべきだよ(特許は出願した段階で、インターネットを通じて世界中に知れ渡っちゃうよ)
  • 日本の産業界は脇が甘すぎる。こんなことしてたらどんどん世界にアイデアが流出しちゃうよ。そのためにももっと知財マインドを持った人材が育たなきゃダメだよ

コカ・コーラのレシピは極秘中の極秘、という話はご存知の方も多いと思います。タイトルにもあるように本書にも登場するのですが、まさにそれが知財戦略だと著者は熱く語ります。絶対領域※思想で取り組めと主張します。※詳しくは本書に。

終始一貫して熱い。とにかく知財に対する愛情、日本の産業界、とりわけ中小企業への思いがほとばしる、これまでにない知財本に仕上がっております。

知財に興味のある大学生、法務部や知財部に配属されたあるいは異動になった社会人、弁理士試験の勉強でモチベーションが下がっている方にもってこいです。知財マインドに火をつけてくれると思います。おすすめすです。